応用問題(Practical Exercises)16  解答 【症例 P16-10】

門脈内ガス(腸管壊死なし).Portal vein gas without bowel necrosis












図1〜図4で肝内門脈内ガスを認める.門脈内ガスの60〜70%は腸管壊死が原因といわれるので腸管壊死所見を検索する.CTでは壁の造影効果減弱と壁内気腫が最も重要な所見だが,この症例では壊死所見ははっきりしない(ガスで拡張した腸管の壁は判定できない).腹痛と門脈内ガスは予後不良といわれてきたので手術となった.腸管壊死または虚血所見はなく,小腸中央部で25cmにわたる軽度の浮腫を認めるだけであった.ガス産性菌による腸炎が原因の門脈内ガスと思われる.腹痛で来院し門脈内ガスを認めても,腹部所見とCTで腸管壊死を示唆する所見がなければ必ずしも手術の適応ではない.

















  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)16 【症例 GR 79】

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