上段の図５で膵体部（B）は椎体の横径の2/3以上あり腫大している．↑は液貯留または後腹膜筋膜の肥厚で，▲は膵周囲脂肪組織の浮腫（不均一な濃度上昇で境界不明）を示しているので急性膵炎である．単純CTだから膵壊死の判断は出来ない．総胆管結石を認めない．T：膵尾部，H：膵頭部，Du：十二指腸．
下段の2日後の造影CTで周囲脂肪組織の濃度上昇（浮腫：▲）と液貯留（境界鮮明な均一なwater density：△）の増強を示している．膵実質（T：尾部，B：体部，H：頭部）は炎症により脾臓より低濃度を呈しているが膵組織を認め膵壊死はない．合併症なく2週間で治癒した．