応用問題(Practical Exercises)14  解答 【症例 P14-3】

十二指腸潰瘍穿孔.Perforated duodenal ulcer









上腹部痛で遊離ガス(図4〜図6:△)を認めれば胃または十二指腸潰瘍穿孔の可能性が高い.胃に急性病変を示唆する粘膜下浮腫を認めないので十二指腸に注目する.上段の図8〜図10の十二指腸球部は粘膜下浮腫(▲)を示しているので,明白な潰瘍を認めなくても十二指腸潰瘍穿孔と診断する.十二指腸球部壁は薄く,潰瘍も浅く小さいので3mm以下のthin slice CTでないと潰瘍は描出されないことがある.下段の3mmスライスの冠状断画像では十二指腸球部の粘膜下浮腫(▲)がより鮮明になり,前壁潰瘍の粘膜欠損または壁欠損像(↑)も認識できる.手術となり十二指腸球部前壁に5mm大の穿孔を認め,小網でpatch閉鎖し,術後は順調に経過した.












  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ2 【症例 EE 10】

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