応用問題(Practical Exercises)13(外傷)  解答 【症例 P13-9】

脾臓損傷(extravasationあり).Spleen rupture with active bleeding








IIIb型の脾臓損傷を認め,肝周囲と脾臓下極周囲に腹水(図28と図32:※)がある.唯一extravasationの可能性を示唆する所見は早期相の図19と図20の▲と,晩期相の図23と図24の△であるが,いずれの相で大動脈より低濃度だから確信がもてない.脾臓周囲に相当量の血腫や血液を認めない,図29でIVCの虚脱はなく循環血液量は十分に保たれていることを考慮して否定的である(手術では少量出血).図18の↑は一見大きな裂創に見えるが,晩期相の図22で脾臓実質は造影されている(白矢印).裂創近辺の血管がspasmを起こすからといわれるが,肝臓,膵臓や腎臓の実質臓器では同現象が起こることを念頭に置く必要がある.CT撮影後血圧が70台に低下したので緊急手術となった.脾臓裂創からの少量出血を認め,裂創縫合により止血し脾臓を温存した.Hb:13.5→10.5g/dl.
















  【参照症例】   1. 外傷(Trauma)シリーズ1 【症例 TE 2】
2. 日本外傷学会臓器損傷分類2008

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