応用問題(Practical Exercises)13(外傷)  解答 【症例 P13-2】

肝損傷・膵断裂.Liver laceration・pancreatic transection

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1)図1〜図4で肋骨骨折(▲)を認め,図1と図2の(胸腔外)周囲ガス(△)を考慮すると,図6と図7のガス(白矢印)は腹腔内遊離ガスではないと解釈すべきである(pseudopneumoperitoneum:参照症例1,2).2)上段の↑は肝損傷を示しているが,extravasationを認めず(ただし,より正確に否定するにはdoubleまたはtriple phaseが望ましい),周囲に大量の血腫を認めないので活動性の出血はないと判断する(手術では活動性の出血を認めた).3)下段で膵損傷(↑)を認める.7スライス中図18〜図21の4スライスで完全断裂を示しているので主膵管損傷の可能性は極めて高い(参照症例3,4).Du:十二指腸.












下段の画像でwater densityのBが膀胱だから※は血腫または血液を示している.出血量(参照症例5)を計算すると,図27で3cm(300ml),骨盤腔内に10cm(500ml)で合計約800ml であろう.血圧が低下し始めたので緊急手術となった.肝損傷部位からの出血(single phase 造影CTではextravasationなし:総出血量は1500ml)と膵完全断裂を認め,肝裂創縫合と膵体尾部切除が行われ,術後は順調に経過した.














  【参照症例】   1. 参照1 外傷(Trauma)シリーズ3 【症例 TE 13】
2. 参照2 外傷(Trauma)シリーズ5 【症例 TE 21】
3. 参照3 外傷(Trauma)シリーズ4 【症例 TR 17】
4. 参照4 外傷(Trauma)シリーズ4 【症例 TE 16】
5. 参照5 外傷(Trauma)シリーズ1 【症例 TE 1】

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