応用問題(Practical Exercises)12(吐下血)  解答 【症例 P12-5】

膵頭部癌の十二指腸浸潤,Pancreas head cancer invading duodenum









図4〜図12は省略.図1〜図3の単純CTで胃内容物が高濃度を呈しているのは,吐血例であれば血腫と血液であることを強く示唆する.図16の腎静脈合流部直上の扁平化したIVCは重度の循環血液量不足を意味する.造影CTの▲(単純CTでは△)は弱いけど不整な造影効果を示し腫瘍性病変の可能性がある.図17に↑は異常血管(仮性動脈瘤)を疑うべきで,図16の白矢印は腫瘍浸潤による十二指腸の壁欠損を示唆する.しかし,確定診断にはthin sliceの晩期相の造影CTが必要である.H:膵頭部,Du:十二指腸.緊急胃カメラで胃内に新鮮な凝血塊を認め,十二指腸から新鮮血が逆流しており十二指腸には進めないため緊急手術となった.膵頭部癌の十二指腸浸潤が確認され,RGA(right gastric artery:右胃動脈)とGDA(gastroduodenal artery:胃十二指腸動脈)を結紮したが出血は続き,3日後に死亡した.








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