下段の図17〜図20で右側結腸(▲)は少量の糞便も認めるが血腫と血液と思われる内容物が目立つので,右側横行結腸,上行結腸,盲腸または小腸が出血源であることを示唆する.造影早期相(図10〜図17)の白矢印と晩期相(図14〜図21)の↑は腫瘍性病変を示している可能性が高い.図12と図16の,線状の高濃度域(△)は図12で腹部大動脈ほど濃染されていない,早期と晩期で形と大きさに変化がないのでextravasationではなく腫瘍の濃染であろう.Extravasationを認めないが,小腸腫瘍が下血の原因と診断する.小腸内視鏡で空腸に易出血性の腫瘍性病変(図A)を認め切除した(図B).病理検査で「GIST is most suspected」と診断された.
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