最下段の図22と図23で盲腸(Ce,Ti:回腸末端,Ac:上行結腸)は血腫と血液と思われる内容物を示しているので,出血源は小腸から大腸の肝弯曲部あたりと推定できる.横行結腸は図1の1から追跡すると数字順に展開し,図1の脾弯曲部に至る.図9〜図12の造影早期相の↑は晩期相(図13〜図16)の白矢印に相当するが,晩期相で薄くなり広がる変化を示しているので造影する前から存在する内容物ではなく造影剤のextravasation(血管外濾出)である.Double Phase 造影CTでdensity,大きさや形に変化がなければ元々存在する内容物と判断できるので,単純CTはあったほうがいいが必須ではないと筆者は考える.横行結腸に憩室らしき所見は認めないが,図22と図23の多発性憩室(▲)は横行結腸にも1, 2個は存在する可能性を示唆する.血管造影でextravasation(図A:↑)を認め,コイルで塞栓し(図B:△)止血に成功した.
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