応用問題(Practical Exercises)12(吐下血)  解答 【症例 P12-1】

S状結腸憩室出血.Bleeding sigmoid diverticulum




図5〜図8と図13〜図16は省略した.大量下血例では糞便は血液の下剤作用により排出されるので,出血部位から肛門までは通常便ではなく血腫または血液を内容物とすることが多い.上段の図1の上行結腸(Ac)と横行結腸(Tc),図9と図10の盲腸(Ce)は通常便を含むので横行結腸,上行結腸,盲腸または小腸が出血源である可能性は極めて低い.Ti:回腸末端.同図で下行結腸(Dc)は血腫と思われる内容物を含むので出血部位は大腸の脾弯曲部より肛門側と推測する.単純(Plain)CTで図11の下行結腸1から肛門側へ追跡すると図20のS状結腸20となる.












造影CTの図21〜図30の↑は同部位の単純CTと比較すれば明白で,S状結腸でのextravasation(造影剤の血管外濾出)を示しており,活動性の出血を意味する.▲は憩室だから,S状結腸の憩室出血であろう.最下段の図32と図33の△は単純CTで全く同型に示されているので子宮の石灰化である. 緊急大腸ファイバー検査でS状結腸に多発性の憩室と血塊を認めたが,すでに自然止血しており活動性の出血はなかった.Hbが8.2mmHgまで下がったので輸血を要したがその後下血は認めなかった.










  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ1 【症例 MR 2】

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