下段の図10〜図12で盲腸(Ce)は液状内容物を含まないので拡張した小腸は機械的閉塞であろう.図1と最下段の図19で少量の腹水(※)を認め,下腹部で拡張した小腸はgaslessであるが,腸間膜濃度上昇はない.図14の▲は図15の小腸(△)と,図13の▲も図12の小腸(△)と重なるので異常所見ではない.図16と図17の↑は“小腸内糞便”(食物残渣)と呼ばれ単純性閉塞の閉塞部位を示している場合が多い.図15から追跡すると,1は図4の21となり上行するが,Aは図6のJで閉塞し虚脱した小腸(SB)へ連続するようで,そこでの単純性小腸閉塞である.単純性と確信が持てればNGチューブまたはイレウスチューブを挿入し安心して2,3日は経過観察できる.NGチュ−ブを挿入し翌日には腹痛が消失した.癒着による狭窄が原因と思われる.
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