応用問題(Practical Exercises)10  解答 【症例 P10-2】

マクロアミラーゼ血症.Macroamylasemia






膵臓(図8〜図17:↑)は腫大はなく,脾臓と同等な造影効果を示し,周囲に脂肪組織の濃度上昇や液貯留を認めず,急性膵炎をほぼ100%否定できる.図8の▲は膵尾部の脂肪腫(lipoma)であろう.図11以下の白矢印は総胆管であるが拡張も結石も認めない.翌朝の検査で血清アミラーゼ:1560 IU/L,尿中アミラーゼ:204 IU/L.通常,急性膵炎では尿中アミラーゼは血中の2倍以上を示す(前症例)が,血中より低値であればmacroamylasemia考慮すべきである.血清アミラーゼの分析でmacroamylasemiaと診断された.上段の画像で胃は粘膜下浮腫による肥厚を呈しているようで,胃炎が心窩部痛の原因であろう.









  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ13 【症例 EE 65】

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