図12〜図16の↑は腫瘍性病変と解釈すべきであろう.逆行性に追跡するとS状結腸から下行結腸は図15の1〜図7の17へ展開する.図16の小腸abはaとbに分かれて上行する.盲腸(Ce)は図15で盲端になるので図10のTiが回腸末端の起始部である.腫瘍性病変は図12でTiにつながるので回腸末端の腫瘍で,CTで病理診断は不可能だが頻度的には悪性リンパ腫の可能性が高い.最下段の骨盤腔内に腹水(※)を認め,図14の腸管外遊離ガス(↑)は腫瘍の穿孔を強く示唆する.腹壁直下には遊離ガスを認めない.1週間後の手術所見:回腸末端が一塊の腫瘤を形成し,その中央に穿孔による膿瘍を形成していた.図Aの↑が粘膜面の腫瘍で,真ん中で穿孔している.病理診断:diffuse large B-cell lymphoma.
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