図4の1〜図12の22は回腸末端であるが,図10〜図7のaとb と共に厚い粘膜下浮腫を示し,図11〜図19の▲は腹壁直下に位置する脂肪組織だから大網と思われるが,濃度上昇を呈しているのは強い広範囲の炎症(腹膜炎)を示唆する.盲腸(Ce)は図10で盲端になり,図11〜図16の↑は虫垂である.通常の虫垂炎とは異なり低濃度の液状内容物を含まず,図14〜図16の先端部位で腹水(※)と連続するので穿孔している可能性が高い.図11〜図24の大量の腹水(※)は図6の小腸内液(△)よりやや高濃度を呈し粘液である可能性を考慮すると虫垂粘液嚢胞性腫瘍の感染および穿孔を疑うべきである.感染していないmucin(例:pseudomyxoma peritonei)では腹痛や腹膜炎は生じない.手術で大量の粘稠な腹水(mucin)を認め,穿孔部位の虫垂先端から緑色の粘液が漏れていた.病理所見:mucinous cystadenoma.
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