図4で上行結腸(Ac)が拡張し,下行結腸(Dc)1は拡張(>6cm)とはいえないが虚脱していないのでその肛門側での閉塞がないか1から追跡する.図4まで戻って14となるが,図5〜図9の↑が原因病変で強い造影効果を示しS状結腸癌である.肛門側は図9のaから図11のi となるが,図11と図12の白矢印も腫瘍性病変の可能性が高い.図16で盲腸(Ce)の最大径は14cmもあり,さらに図12〜図18の△は壁内気腫を示しており,壊死または強い虚血を示唆する所見である.図17と図19の単純CTでは壁が高濃度を示し(▲)出血性壊死の可能性が高いと解釈すべきで,即刻減圧法を考慮すべきである.緊急大腸ファイバーで同所見が確認され,経肛門的にイレウスチューブを挿入し減圧に成功した.図Aと図Bは5日後のCTだが,盲腸(Ce)はviableで,粘膜下浮腫は虚血状態であったことを示唆する.壁内気腫や血腫が必ずしも不可逆的な壊死を意味するわけではない.手術および病理診断(図C):Main tumor(↑)はtubular adenocarcinoma,3cm大の△はhigh grade tubulovillous adenoma.S状結腸癌による大腸閉塞,盲腸虚血と副病変を指摘して正解.
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