図4〜図6は省略.図1〜図3の腹水(※)と遊離ガス(▲)は消化管穿孔を強く示唆し,事実そう診断され手術となったが,まれに消化管以外の疾患もあるので注意したい.二重丸の病変は上下で盲端になり,ガスと液状内容物を含み,壁が強い造影効果を示しているので膿瘍と思われるが,単なる膿瘍ではない.下段の最後の画像(図21)で膀胱と直腸との間の↑は子宮頚部で,頭側へ追跡すると図16で膀胱は消え,子宮が二重丸の病変に連続する.図16〜図14の白矢印は子宮体部の壁を示し子宮留膿腫であり,その穿孔と診断できれば正解.開腹すると悪臭の強い多量の膿性腹水と,子宮留膿腫の背側に5mm大の穿孔(図A)を認め,子宮摘出術が施行された.図12〜図16の△は石灰化した小筋腫で,子宮頚部には膿瘍を形成した腫瘍(図A:↑)を認め,頚部癌と診断された.腹水の培養でEscherichia coli とBacteroides fragilisが検出された.
|