肝臓周囲と図19と図20では腸間膜間に腹水がある(※).心房細動があるがSMAは開存している.図9〜図20で一部の小腸が粘膜下浮腫または血腫で壁肥厚を示し(△),図14〜図16で血管の怒張を認めれば(▲)上腸間膜静脈血栓症を疑う.図4と図5で肝右葉の一部の門脈(PV)は開存しているが,左葉と右葉の一部の門脈(↑)は閉塞しており,肝臓は代償性に動脈血流が増加した部分がやや強く造影されている.図5〜図8の門脈と図9〜図11の上腸間膜静脈は少量だが造影剤を認め部分的閉塞で,図12から末梢は完全閉塞をきたしている(↑).血管造影で動脈相の図Aは血管攣縮を(↑),図Bの静脈相では血栓を認め(▲),中枢部は造影されない.SMAからヘパリンとウロキナーゼを注入したが7日後腹部膨満が著明となり,炎症所見も増悪したため手術を行った.Treitz靱帯から70cmの部位から回腸末端70cmまでが出血性壊死に陥っており小腸を150cm切除した.
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