応用問題(Practical Exercises)6  解答 【症例 P6-5】

盲腸捻転.Cecal volvulus

上段の図でABCで構成される,ガスで拡張した腸管は左腎と類似しており,“Freeman-Dahl sign”(下記参照症例) を適応すると▲の部位で捻転していることになり,盲腸捻転の可能性が高い.





















画像は理解しやすくするために並べ替えてある.図3のABCは下降しCの部分は上段の図28で盲端になるが,Aの部分は図12で,Bは図19で閉塞するので,図12と図19間(腹部右側)での捻転を示唆する.下段の画像で図34のR1〜図30のR5が直腸で,図24のS1〜図23のS26がS状結腸,図22のD1からは下行結腸だからS状結腸捻転は否定できる.図13のA1の上行結腸は図22のA6で盲端になるので盲腸捻転として矛盾しない.S状結腸捻転を否定でき,右側での捻転を示唆する所見があれば盲腸捻転と診断してよい.大腸ファイバー検査で上行結腸まで挿入したが,糞便のため閉塞部位は観察できなかった.イレウスチューブを留置し,造影剤を注入しCTを再検したら上記所見が確認され手術となった.盲腸が反時計方向に360度捻転し壊死に陥っていた.













  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 7 【症例 LE 31】
2. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ7 【症例 RR 35】
3. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ7 【症例 RE 35】

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