応用問題(Practical Exercises)6  解答 【症例 P6-4】

左大腿ヘルニア嵌頓・嵌頓部で回腸穿孔.Incarcerated left femoral hernia with perforation of ileum









図1〜図3で腹水(※)と遊離ガス(↑)を認め,消化管穿孔の可能性が極めて高い.下段の図15〜図19で▲はヘルニアであるが,鼠径ヘルニアか大腿ヘルニアか? 腹腔外に脱出した▲ が最尾側(図19)まで大腿動静脈と近接し恥骨結合を超えない,恥骨結合の外側に限局している(鼠径ヘルニアは腸管が下降しながら大腿動静脈から離れ,恥骨結合を超え内側へ移行する),大腿静脈(図11〜図13:白矢印)の圧排所見を認めるので大腿ヘルニアである(参照症例).図14〜図11で虚脱した小腸(△)が2つあり,図10の1から小腸が拡張し始め,数字順に展開するので大腿ヘルニアが閉塞の原因である.図10と図11の↑も遊離ガスの可能性が高く,大腿ヘルニア嵌頓による小腸閉塞・嵌頓部での小腸穿孔と診断したら合格.手術で回腸の嵌頓と穿孔が確認された.












  【参照症例】   1. 腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)1 【症例 ILR 1】
2. 腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)1 【症例 ILR 2】

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