下段の単純CT図25〜図29で子宮を認識できない程の高濃度の腹水(※)は,血腫と血液と解釈する.上段の造影CT図13〜下段図24の,子宮近辺にある球状の△は卵巣(嚢腫)である可能性が極めて高い.図21〜図23の↑はextravasation(造影剤の血管外濾出)を示しており,右卵巣出血と診断できる.翌日腹痛が増強し腹膜刺激症状が出現したので手術となり,CT所見が確認された.腹腔内に凝血塊(85g)と血液(336ml)を認め,右卵巣に4cm大の嚢腫(図A:▲)があり,暗赤色の部分(図A:↑)から出血が続いていたので嚢腫を楔形に切除した.
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