撮影タイミングが遅い(図11で尿管が造影されて腎実質が薄くなっている)からSMA(▲)の造影効果も弱いが,拡大画像でなんとか診断は可能である.SMAを追跡すると,図13までは造影効果を認める(▲)が,図14から造影されなくなる(↑).しかし末梢型だからSMA領域腸管の壁は造影効果を示し,壊死または重度の虚血所見はない.図5の右腎も部分梗塞(白矢印)を示している.次第に腹痛が増強したので2日後に血管造影が行われた.早期相の図Aで右結腸動脈より遠位での閉塞(△)を認めるが,回結腸動脈にも側副路からの血流を示している.後期相の図Bで,最も壊死に陥りやすい回腸末端の動脈(▲)も良好に造影されている.腸管壊死のないSMA塞栓症と診断したら合格.手術で壊死のない,虚血状態の回盲部を認め,血栓除去で色調は改善した.
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