腹水を伴わない遊離ガスは消化管穿孔ではない場合もまれにあるが,図4〜図6の遊離ガス(△)と腹水(※)はほぼ100%消化管穿孔と思ってよい.図11の白矢印は壁の欠損を示しており穿孔部で,図12〜図14の↑は前庭部の潰瘍性病変であろう.図7〜図14で前壁の異常な肥厚(▲)と潰瘍周辺に粘膜下浮腫を認めないことは,通常の急性胃潰瘍とは異なる所見で,胃癌の穿孔を疑うべきであろう.図13でIVCが扁平化しており,重度のhypovolemiaを意味する.A:前庭部.手術で前庭部前壁に1cm大の穿孔を認め,周辺は硬く癌の穿孔と思われた.胃部分切除(図A:漿膜側,図B:粘膜面)が行われ,病理検査で胃癌の穿孔と診断された.
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