応用問題(Practical Exercises)2  解答 【症例 P2-5】

胆石イレウス.Gallstone ileus













最上段の図A〜図Fで胆嚢は腫大,壁肥厚と周囲脂肪組織の濃度上昇を示し,典型的な急性胆嚢炎である.胆石を2個認める.PTGBDで治療され,4ヶ月後の上段のCTで胃が拡張しており,十二指腸は図5のa〜図22のz であろう.胆嚢は図4〜図7に示されておりガスを含む.図6で十二指腸(b)と胆嚢が同一腸管に見えるが,十二指腸胆嚢瘻を示している可能性が高い.総胆管は図4〜図14までで,図15〜図20の△は十二指腸憩室と思われる.最下段の図37と図38で盲腸(Ce)は液状内容物を含まないから,拡張した小腸は機械的閉塞の可能性が極めて高い.大部分がgasless(ガスがないかあっても少量で画像断面積の半分以下)で,腹水や腸間膜の濃度上昇を認めないので絞扼性の可能性は低い.拡張した小腸loopが少なく,胃と十二指腸が拡張していることは空腸での閉塞を示唆するので図23の空腸起始部(1)から追跡すると,図25の67あたりで閉塞し,図24からは虚脱した空腸(SB)となる.図1〜図3の肝内胆管内ガス(▲),胆嚢内と総胆管内ガスは胆石イレウスを強く示唆するので,図26〜図29↑は胆石を示している可能性が高く,胆石イレウスと診断する.正確に診断され手術が施行された.Treitz靱帯から30cmの部位で3cm大と4cm大の,2個の結石がくっつくように嵌頓していた.胆石を除去したが,胆嚢は周囲組織との癒着が強いため切除しなかった.

























  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ11 【症例 RE 51】

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