図19の虚脱した(液状内容物を含まない)盲腸(Ce)と回腸末端(Ti),最下段の図36の腹水(※),拡張した小腸の大部分がgaslessで,図9〜図16の腸間膜濃度上昇(▲),これらの4所見は絞扼性小腸閉塞を強く示唆する.図7〜図16の局所性の腹水(△)はその近辺の小腸が絞扼されている可能性が高いことを意味する.図36から追跡すると,Aは図25のLで,1は図23の66で閉塞するのでclosed loopを形成している.口側の単純性閉塞は図24の丸数字1から下行し(単純に上下に直進するのは同数字),図31の丸数字6でUターンし上行する.絞扼された小腸のviabilityに関しては,単純CTでやや高濃度を呈している(図8,図10,図12と図14:↑)ので微妙であるが,造影効果は示されていると思われる.単純閉塞の腸管壁の造影効果が極めて弱い理由は不明である.正確に診断されたが,手術は3時間後に行われ,盲腸と腸間膜間に形成された索状物により130cm長の回腸が絞扼され壊死に陥っていた(図A).
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