図16〜図24の空腸(△:臍を中心とした右上腹部から左下腹部への斜線を境に空腸は左側に回腸は右側に位置する傾向がある)は壁肥厚を呈しているが,粘膜下浮腫のwater densityよりかなり濃度が高く,壁内血腫(出血性壊死)と解釈すべきである.最上段の図5から門脈を追跡すると,図9の↑から末梢が造影効果を失い,血栓を形成している.図18〜図20ではSMV分枝の血栓(白矢印)を示している.図Aの腹腔動脈造影では異常を認めず,図Bの静脈相でSMVの血栓(▲)を示しており,CT所見と一致する.SMAに留置したカテーテルからウロキナーゼと塩酸パパベリン,末梢からヘパリンを投与したが,翌日には腹痛が増強し,CRPと白血球数が増加したので手術となった.Treitz靱帯から30cmの部位で30cm長の空腸が出血性壊死(図C)に陥っていた.
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