図2〜図6で胃を背側から左前方に圧排する場所,すなわち網嚢内に一部拡張を示す小腸のグループがあり(↑),下段で尾側には横行結腸(Tc)の背側を図15まで下行する.円弧状の滑らかな境界で,嚢状構造の中に収まった感じを呈し,網嚢内への内ヘルニアを強く疑う.図4の1から十二指腸を追跡すると,図5の12となって↑の小腸群と合流し, 図11の▲の部位が腸間膜血管の収束点だからヘルニアの嵌入部とすれば左傍十二指腸ヘルニアとの診断となる.手術で上記所見が確認され,Treitz靱帯からすぐの上部空腸60cmが後腹膜腔へ脱出していたが,虚血所見はなかった.容易に整復され,5cm大のヘルニア門を単純閉鎖した.
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