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応用問題(Practical Exercises)1 解答 【症例 P1-7】
輸入脚症候群・十二指腸穿孔・後腹膜膿瘍.Afferent loop syndrome・perforation of duodenum・retroperitoneal abscess formation
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胃切の際Billroth II法で再建された.図1の1から始まる拡張した腸管は図9でSMAとSMVの背側を通過し左側へ展開するので十二指腸であり,図8の15で閉塞するので輸入脚症候群である.図7の胃に連結すると思われ,胃空腸吻合部での閉塞で,図8の△から下降するのが輸出脚である.血清アミラーゼ値(1205 IU/l)は高いが,膵(H:膵頭部,B:膵体部,T:膵尾部)の腫大はなく,脾臓と同様に均一に造影され,全く正常の膵臓と判断すべきである.周囲の液貯留や脂肪組織の濃度上昇を認めず膵炎の所見はない.図7の▲は図8の十二指腸のpartial volume effectと解釈すべきで,脂肪組織の濃度上昇ではない.図5でIVCが軽度の扁平化を示し,軽度のhypovolemiaである(通常はIVCは大動脈の1.5から2倍の大きさ).
NGチューブを挿入し保存的に治療された.下段は上部内視鏡検査の翌日のCT.
腸閉塞では,内視鏡による内容物の吸引後も吸収機能は停止したままである.一方で腸液の分泌機能は継続するから再び腸液で拡張する.十二指腸(図17の1〜図23の15)はほぼ虚脱しており,周囲に相当量の液貯留(図14〜図22の↑)を認めることは急性膵炎に類似するが,膵の腫大はないので輸入脚症候群の穿孔も考慮すべきである.図18の虚脱したIVCは重度のhypovolemiaを意味する.急性膵炎の重症化と診断され保存的治療が継続された.
膵(H:膵頭部,B:膵体部,T:膵尾部)周囲に大量のガス(↑)を認めるが,周囲液貯留の,ガス産性菌による感染または膿瘍形成を意味する.膵臓に著変を認めず膵炎の所見はない.以上の所見から輸入脚症候群による十二指腸穿孔後,後腹膜膿瘍を形成した可能性が高い. 11日後(第30病日)に敗血症で死亡した.
【参照症例】
1.
上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ12 【症例 ER 57】
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