応用問題(Practical Exercises)1  解答 【症例 P1-6】

単純性・食餌性(モチ)小腸不完全閉塞+梅干しの種.Small bowel incomplete obstruction due to food bolus(rice cake) impaction and a seed of pickled plum (salted Japanese apricot)









下段の図13と図14で盲腸(Ce)が虚脱し液状内容物を含まないから,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.まず外ヘルニアの嵌頓を検索することが基本だが,それを認めない(画像省略).次に絞扼性か単純性かを判断する.拡張した小腸はgaslessで,図18と図19で腹水(※)があるが,腸間膜濃度上昇を認めないからどちらの可能性も否定できない.図12〜図18の高濃度の小腸内容物(↑)が目につくが,図12の1から液状内容物で拡張し始め,頭側へ数字順に展開するのは口側の小腸であろう.図19のA〜図10のNは肛門側の小腸と思われ,液状内容物とガスでニボーを形成している図17のG〜図13のK以外は虚脱している.すなわち,↑はモチの可能性が高く,単純性・食餌性の不完全閉塞である.保存的に治療され,翌日排ガス有り症状が消失した. 図5〜図8の白矢印は梅干しの種である.CT撮影後問いただしたら2日前に梅干しの種を飲み込んだという.モチに関してはそれだと認識されていないので確認されていないが,モチによる食餌性閉塞の可能性は極めて高い.モチによる食餌性閉塞と診断できたら合格.










  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ18 【症例 EE 88】
2. 腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)20 【症例 ILE 96】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 応用問題一覧に戻る 】