図1〜図8と図22〜図25は省略.上段の初日のCTで上腹部に遊離ガスはない(図省略).直腸から下行結腸へは図17の1から数字順に展開する.S状結腸は浮腫により壁肥厚を示し,図11〜図13の▲は憩室であろう.図13〜図15の小腸(△)は浮腫性壁肥厚を呈し,周辺に炎症性病変があることを示唆する.その小腸は内容物を含まず虚脱しているから,図13の↑は腸管外の液貯留(強く造影される壁を示せば膿瘍)と遊離ガスと解釈する.図9の24〜図11の22の下行結腸が液状内容物を含みニボー(air-fluid-level)を形成していることは麻痺性イレウスを意味する.従って穿孔性S状結腸憩室炎との診断となる.下段の翌日のCTで上腹部の胃周辺に遊離ガスを認める(図18〜図21:白矢印).図29〜31で遊離ガスを含む液貯留(または膿瘍:↑)が増大し,上記所見が明白となった.翌日のCTで正確に診断され手術となった.S状結腸,腹壁と小腸間に膿瘍と,穿孔性のS状結腸憩室炎を認め,Hartmann手術が施行された.病理所見:diverticulitis with perforation.
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