図3〜図5の△はバウヒン弁であり,液状内容物ではないから拡張した小腸は機械的閉塞であろう.大部分はgaslessで図24〜図26で腹水(※)を認めるが腸間膜の濃度上昇はなさそうだ.図22のU字型の小腸Aと1から追跡すると,図16のKを閉塞部位とする単純性閉塞である.図1〜図14の上行結腸(Ac)と盲腸(Ce)は壁肥厚を呈しているが,炎症性の浮腫であろう.図7のa〜図16のpの回腸末端も粘膜下浮腫による壁肥厚を示し,感染性腸炎,すなわち回盲部炎(ileocecitis)と診断する(下記症例参照).第3病日に腹部単純写真で小腸拡張が増悪したのでイレウスチューブを挿入,第5病日に腹痛が消失した.第6病日に小腸造影(図A)を施行したが,すでに治癒しており異常を認めない.
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