図4〜図7の右側結腸(白矢印)は拡張した小腸が機械的閉塞であることを示唆し,大部分がgaslessだが腹水と腸間膜の濃度上昇を認めないので絞扼性の可能性は低い.小腸内糞便(食物残渣)は単純性閉塞の閉塞部位を示唆する所見で,その原因を検索する手がかりになることが多いので図20から追跡を始める.Aは図9のLで閉塞し,図10〜図12で肛門側の虚脱した小腸(SB)を認める.1は図4の57となるが,その先は上行するのかXと連結するのかはっきりしない.しかし図10のxyはxとyに分かれて上行することは確実だから,図9の閉塞部位L近辺で閉塞する他の小腸を認めないので単純性閉塞との診断が成り立つ.図6のabはaとbに分かれて上行する.翌日腹痛が軽減しないため手術となり,癒着と索状物による単純性閉塞が確認された.
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