図4〜図6は省略.図1〜図3で盲腸(Ce)は液状内容物を含むので,拡張した回腸は麻痺性イレウスの可能性が高く,腹膜炎の原因となる消化管穿孔,腸管壊死や炎症性疾患を検索する.図20のS1〜図14のS7のS状結腸は壁肥厚を示し,図19〜図22で腹水(※)を,図16〜図22で広範囲の周囲脂肪組織の濃度上昇(▲)を,図14〜図17で憩室内のガス像(△)を認めるのでS状結腸憩室炎である.決定的な所見は図12と図13,図17と図18の腸管外遊離ガス(↑)で,さらに炎症に巻き込まれた回腸は粘膜下浮腫による壁肥厚と麻痺性イレウス(液状内容物を含みニボーを形成している)を示しており穿孔性S状結腸憩室炎と診断できる.腹部所見とCT所見が限局的なので抗生物質投与により保存的治療が成功した.
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