腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)19 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 94】

盲腸周囲ヘルニア.Paracecal hernia












上段の図5〜図8で盲腸(Ce)と回腸末端(Ti)は液状内容物を含まない,拡張した小腸はgaslessだが腹水と腸間膜の濃度上昇を認めない.単純性閉塞か絞扼性閉塞か? 下段の図21から追跡するとAは図10のLで閉塞し,1は図1の47となり上行する.図4のabはaとbに分かれ,cdはcとdに分かれ上行する.つまり図10のLで閉塞する単純性閉塞である.よく見ると盲腸周辺に水分で軽度拡張した小腸を認め,図12の丸数字1から追跡すると図11の丸数字12に戻りclosed loopを形成しており,盲腸周囲ヘルニアを強く疑う.良好な造影効果を示しているので壊死はない.














前回のILE88同様締め付け具合が緩いために,小腸造影とCTで絞扼された小腸に造影剤を認めるまれな症例である.最下段の小腸造影(図Aと図B)で狭窄部(△)とヘルニアに嵌頓した小腸(▲)が造影され,CTでは▲が内ヘルニアで絞扼されているはずの小腸,図31でbeak sign(↑)を示し,図29の1〜図35の8が口側の単純性閉塞の小腸.イレウスチューブを挿入し保存的に治療され,抜去後水分摂取を始めたら大量に嘔吐したので9日目に手術が行われた.10cm長の回腸が盲腸背側にヘルニアを起こしていたがviableであった(図C:↑間).











  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ20 【症例 RE 98】

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