最下段の図19〜図21の上行結腸(Ac)は液状内容物を含まない,gaslessでない拡張を示す小腸もあるが,図22の腹水(※)と,図9〜図15の腸間膜の濃度上昇(▲)の所見を認めると絞扼性小腸閉塞の可能性を否定できない.腸間膜の濃度上昇(▲)を示すloopに注目し,図19から追跡すると,Aは図8のLで,1は隣の図7の19で閉塞しclosed loopを形成している.図8と図9でLと連続する虚脱した小腸(SB)を認め,図8の丸数字1から拡張し始めるのが口側の単純性閉塞の小腸である(上下に直進する間は同数字).Closed loopの壁は単純性閉塞の小腸壁と同等な造影効果を示し壊死はない.45cm長の回腸がbandにより絞扼されclosed loopを形成していたが壊死はなく,虚血所見はband切離で改善し腸切除は不要であった.
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