図9〜図17は省略した,図1〜図8の単純CTで↑の小腸は壁と内容物が高濃度を呈し,出血性壊死を強く示唆する.下段の造影CTでclosed loopを証明できれば絞扼性小腸閉塞による壊死の確定診断となる.図18のAは図24のGで閉塞し,1は図21の4で閉塞するが虚脱した図22の5と図23の6となるので15〜20cm長のclosed loopを形成している.壁の造影効果は弱く壊死の可能性が極めて高い.図25でbeak sign(↑)を示し,図24の丸数字1が単純閉塞の起始部で,丸数字順に展開する(直進する間は同数字).図20と図21の▲は血管を中心とする絞扼された小腸の腸間膜だが,渦巻き感がなくwhirl signではない.図30と図31で少量の腹水(※)を示しているが,なぜか絞扼されたclosed loopの腸間膜の濃度上昇を認めない.正確に読影され緊急手術となり,索状物により絞扼され壊死に陥った20cm長の回腸を認めた(図A).捻転の所見はなかった.単純CTがなければ診断困難な症例である.
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