単純性閉塞と診断されNGチューブが挿入されたが,4日経っても症状の改善が見られずイレウスチューブに入れ替えた.下段はイレウスチューブからガストログラフインを投与後のCTである.
図31〜図34で腹水(※)が増加しているが,water densityで血性ではなさそう.図21の1から数字順に展開し同図の24に戻り,4日前と同様なclosed loopを形成している.ガストロラフィンを含む図20の丸数字1から単純性閉塞が始まり丸数字順に展開する.注目すべき所見は絞扼されたclosed loopの腸管に薄くなったガストログラフインを認めることである.この症例は第8病日に手術されbandによる絞扼性小腸閉塞が確認されたが,腸管はviableでband切離だけが施行された.絞扼性小腸閉塞で絞扼部位での締め付け具合の強弱は症例ごとに違い,緩ければ単純性閉塞の内容物がclosed loopの腸管内に移行しうる,また1週間経っても壊死に陥らないこともあるということだが,極めてまれな例外的な症例である(下記症例を参照).イレウスチューブまたはNGチュ−ブからガストログラフインを注入してのCT検査は極めて有用であるので,特に診断困難な例ではぜひ施行して頂きたい.
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