胃切・B-II再建後で,図13の14から図20の21まで十二指腸の拡張を認めれば輸入脚症候群を疑う.図14の1が十二指腸断端部で,追跡すると数字順に展開し,図13の74で閉塞するので輸入脚症候群である.図10〜図12が胃(図9)と閉塞部位(図13の74)間の吻合部であるが,浮腫(▲)を示し,図11の点状ガス(↑)は吻合部潰瘍を示している可能性が高い.翌日の胃カメラで輸入脚側に活動性の吻合部潰瘍(図A:↑)が確認され,狭窄をきたしておりファイバーも,減圧のためのイレウスチュ−ブも通過不可能であった.ビリルビンの上昇(3.6mg/dl)のため経皮的胆道ドレナージ(図B:▲)を行い,第3病日に十二指腸減圧のために経皮経肝的にドレナージチューブ(図C:△)を挿入した.胃と十二指腸ドレナージチューブからの造影で輸入脚の狭窄(図D:白矢印)が続いたため手術となった.輸入脚は潰瘍瘢痕による狭窄に癒着による捻転が加わり通過障害の原因となっており,輸入脚と輸出脚間にBraun吻合が施行された.
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