腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)18 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 90】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction of small bowel with necrosis












最下段の図21〜図24で右側結腸(白矢印)が虚脱している,左側で拡張した小腸は大部分がgaslessで,図10〜図15で腹水(※)を,図8〜図12で腸間膜の濃度上昇(▲)を認め,絞扼性小腸閉塞の可能性が極めて高い.図15で拡張し始める1から追跡すると図14の76で閉塞するのでclosed loopを形成している.図15と図16で閉塞部位1と連結する虚脱した小腸(SB)を認め,口側の単純性閉塞の小腸は図15の丸数字1から始まり,丸数字順に展開する.Closed loopの壁は造影効果が減弱しており,図7の69〜図13の75はやや高濃度の壁肥厚を示し出血性壊死を示唆する.単純CTがあればさらに高濃度を呈していただろうと推測する.図10〜図12の↑は左腎臓摘出と関係した物と思われるが,器質化したガーゼか? 単純性閉塞と診断されNGチューブが挿入されたが,6時間で30mlと排出量が少なく,反跳痛が出現したので手術となった.左腎摘部位での索状物(band)により50cm長の空腸が絞扼されclosed loopを形成していた.索状物を切離したら20cmはviable,30cmは壊死と判断し30cmが切除された.












  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 10 【症例 LR 50】

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