図4〜図6で右側結腸(白矢印)は虚脱し,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.Gaslessではあるが腹水や腸間膜の濃度上昇を認めないので絞扼性の可能性は低い.下段の図17から追跡するとAは図16のB,図15のCと小腸内糞便を示し,図15のCで閉塞する.図13の虚脱した小腸abはaとbに分かれて下行するので,閉塞部位の図15のCは同図のaと連結し,閉塞部位である.口側は図17の1から数字順に展開し,図4の36となり上行するので,図15での単純性閉塞と診断できる.閉塞部で病的所見(腫瘍や腸重積)を認めず,癒着による狭窄や屈曲がなければ食餌性小腸閉塞との診断となる.経鼻的イレウスチューブが挿入され最下段の小腸造影(図A)が行われた.↑は腫瘍の可能性があると手術となったが,CTでは小腸内糞便すなわち食物残渣であり,腫瘍の可能性を否定できる.癒着による狭窄があり(癒着性小腸閉塞),そこで弾性硬の食物残渣が詰まっており,指で4分割し盲腸へ押しやった(milking) .
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