腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)17 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 83】

胆石イレウス.Gallstone ileus
















図21〜図24で右側結腸(白矢印)は液状内容物を含まないので,拡張した小腸は機械的閉塞であろう.壁は良好な造影効果を示しているので壊死はなく,腹水や腸間膜の濃度上昇を認めないので単純性閉塞の可能性が高い.図2〜図5の胆嚢(▲)内ガス像は胆石イレウスを示唆する.図28から追跡すると,Aは図13のPで閉塞し,図16〜図19の虚脱した肛門側の小腸(SB)となる.図15〜図17の石灰化像(↑)が小腸閉塞の原因であり,嵌頓した異所性胆石を示している可能性が高く,胆石イレウスと診断する.口側の1は図1の93となりChilaiditi症候群(肝臓と横隔膜の間に大腸または小腸がはまり込んでいる状態.稀に腹痛,嘔吐などの症状を呈することもあるが,自然に戻ることが多く特に病的意義はなし)を示す.癒着性単純性小腸閉塞として治療されたが, 3日後のCTで正確に診断された.保存的に経過観察したら2日後(入院から5日後)に腹痛が消失し,CT検査で胆石が排出されたことを確認できた(画像省略).胃カメラ検査で十二指腸球部に薄い胆汁が流出する胆嚢十二指腸瘻を認めた(図A:△).














  【参照症例】   1. その他(Miscellaneous)シリーズ18 【症例 MR 90】
2. 腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)5 【症例 ILE 21】

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