腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)17 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 84】

S状結腸捻転.Sigmoid volvulus


図Aは▲の部分が下行結腸と重なって鮮明でないため典型的なcoffee bean signではないが,CTでS状結腸捻転の診断が可能である.








図5のA1〜図8のA4が上行結腸で,図5のT1〜図8のT19が横行結腸だから図1のAと1はS状結腸の頭頂部であろう.それぞれを尾側へ追跡すると,Aは図19のSで盲端になるようだが,図13のMでbeak sign(↑)を示しているのでそこが真の閉塞部位であろう.1は図18の18でUターンし,図12の24まで上行し,閉塞してからS状結腸(S4)と連結している.Dc:下行結腸.図21のaから虚脱した直腸を追跡すると,図14のh となりNと連結する.従って,S状結腸(180度)捻転の診断がついた.













冠状断画像の方がむしろ読影が容易である.図26で捻転部位のwhirl sign(↑)を認め,図27の1から拡張し始める.図22から頭側の画像は省略したが上腹部で10と11は連結し,下行し,図26の21となり↑で閉塞する.大腸ファイバー検査でS状結腸捻転が確認され減圧・捻転解除を行ったが,意識状態は改善せずacidosisが出現したので手術となった.黒く壊死に陥ったS状結腸(上段図B)を認め,切除しHartmann手術が施行された.








  【参照症例】   1. 腹部全体痛シリーズ(Generalized Abdominal Pain)3 【症例 GR 13,14】

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