腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)16 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 79】

絞扼性小腸閉塞(壊死なし).Strangulated obstruction of small bowel with no necrosis









図1の盲腸(Ce)と回腸は液状内容物を含まない,最下段の図20〜図23で少量の腹水(※),図15〜図17で腸間膜の濃度上昇(▲)を認め,gaslessの拡張した小腸は絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図21から追跡すると,Aは図14のHで閉塞する.1は数字順に展開するとすれば図12の39で盲端になりclosed loopを形成している.図13と図14で虚脱した小腸(SB)があり,図12の丸数字1から始まるのが口側の単純性閉塞(上下に直進する間は同数字)であろう.もし図13の9が図12の丸数字1と連結すると解釈すると,図14のHが単純性閉塞の起始部で,→図15のG・・・図21のA→同図の1・・・図13の9→図12の丸数字1・・・図1の丸数字5と展開し,図13の10〜図12の39がclosed loopを形成していることになる.いずれにせよ,closed loopを形成した絞扼性小腸閉塞が証明された.Closed loopの小腸壁と単純性閉塞の小腸壁の造影効果に差はないので壊死はない.正確にCT診断され手術となった.盲腸から10cmの部位で,50cm長の回腸が索状物により絞扼されclosed loopを形成して赤色に充血していたが壊死はなかった.















  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LR 22】
2. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 5 【症例 LR 25】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】