図29〜図33は省略.右側結腸(Ac:上行結腸,Ce:盲腸)と拡張した小腸は共に液状内容物を含むので,機械的閉塞の可能性は低く,麻痺性イレウスの原因を検索する.心房細動のある患者が腹痛を訴えればもちろんSMA塞栓症を疑うが,この症例のような末梢型だと診断困難な場合もある.図3からSMA(▲)を追跡すると,図11までは造影効果を認める.かなり末梢だが,図12と図13の↑は造影効果を失ったSMAである(拡大画像参照).図9〜図28の上行結腸(Ac)と盲腸(Ce)は壁の造影効果を認めないので壊死または重度の虚血状態の可能性がある.小腸に関しては壁の造影効果を認めるので壊死はないが,麻痺性イレウスを呈しているので軽度の虚血状態と推測する.Ti:回腸末端.診断つかず腸炎として治療されたが,翌日腹痛が増強し,圧痛と反跳痛を認めたので手術となった.末梢型の上腸間膜塞栓症で,約40cmの回腸が壊死に陥っていた.
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