単純CTだから診断はやや困難だが,右側結腸の腸重積である.図10と図11で重積の嵌入部(↑) が示され,図7〜図9で上行結腸内に脂肪組織(▲:腸間膜)を認めることが腸重積の最大根拠である.図2〜図4の△はそのdensityから脂肪組織と思われる.つまり,盲腸または回腸末端の脂肪腫が重積の原因と診断できれば,あなたはExpertに近い.図12の1から図12の17が口側の拡張した回腸で,図1のT1〜図1のT9は横行結腸.図5のガス(白矢印)は図4の,外筒と中筒の間に位置するガス(白矢印)と重なるので遊離ガスではない.注腸造影で典型的な“蟹爪状陰影”(図A:↑)を示し,手術で回腸末端に粘膜下脂肪腫(lipoma)を認め切除した(図B).
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