腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)15 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 74】

小腸間膜裂孔ヘルニア(壊死).Transmesenteric hernia with necrosis









上段の図7〜図9で右側結腸(Ac:上行結腸,Ce:盲腸)は通常便を含むので拡張した小腸は機械的閉塞であろう.Ti:回腸末端.図1〜図3と図16の大量の腹水(※)は不吉な所見で,単純な腸閉塞ではないことを示唆する.液状内容物とガスで拡張した小腸の壁は,図5と図6のviableな小腸(▲)の壁と比較して造影効果が極めて弱く,その所見だけで壊死に陥った小腸と診断できる.図9の↑は小腸壁ではなく,背側の壁(白矢印)は造影効果を認めないので,進行性壊死の小腸壁に接する腸間膜が充血肥厚した所見である(参照症例).図17〜図19の単純CTの高濃度壁(△)は出血性壊死を示唆し,上記所見を裏付ける.図5の虚脱したIVCは重度の脱水を意味する.手術所見:大量の血性腹水があり,小腸間膜に異常裂孔を認め,そこへ小腸約3/5が嵌入し壊死に陥っていた(図A).











  【参照症例】   1. 上腹部痛(Epigastric Pain)シリーズ4 【症例 ER 20】

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