腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)15 RESIDENT COURSE 解答 【症例 ILR 71】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction of small bowel with necrosis









図4〜図6で盲腸(Ce)は液状内容物を含まず,図1の肝周囲,図7〜図9の右側傍結腸溝と図14〜図18で相当量の腹水(※)と,図10〜図13の腸間膜の濃度上昇(▲)は,gaslessとはいえないが拡張した小腸は絞扼性小腸閉塞の可能性が高い.図21から追跡を始めると,Aは図14のHで,1は図11の49と図12の50でbeak sign(↑:閉塞部位で鳥の嘴状になる所見)を示し,図13の51で閉塞するのでclosed loop形成が証明された.肛門側の虚脱した小腸は指摘できないが,図14の丸数字1は口側の単純性閉塞の起始部で,丸数字順に展開する.この単純性閉塞の小腸壁と比べ,closed loopの壁の造影効果はかなり減弱しており,腹水量も考慮して壊死に陥っていると解釈する.腹水(※)のdensityは図1の胃液より高濃度であり,血性腹水であることを示唆し,腸管壊死を裏付ける所見である.Ti:回腸末端.正確に診断され緊急手術となった.血性腹水を認め,S状結腸腹膜垂と後腹膜間に索状物が形成され,そこへTreitz靱帯から120cmの部位から35cm長の空腸が入り込み絞扼され壊死に陥っていた(図A:△間).













  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 3 【症例 LR 13,14】

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