図4〜図6で盲腸(Ce)と下行結腸(39〜37)が液状内容物を含み,下行結腸から直腸(図4の39〜図18の1)まで閉塞病変を認めないので拡張した腸管は麻痺性イレウスであり,図4〜図6の白矢印は腹膜の造影効果と脂肪組織の濃度上昇を示し腹膜炎を示唆する.図4〜図11の↑は上下で盲端になり,壁を認めないので腸管外に漏れ出た糞便で,▲は遊離ガス,△は腹水を示しており,消化管穿孔と診断できる.図18〜図20の▲も明白な壁を認めないので遊離ガスと腹水である可能性が高い.穿孔の原因となる腫瘍性病変や憩室を認めず,穿孔部位も不明である.手術で糞便性腹膜炎とS状結腸穿孔(図A:↑)を認めた.病理検査で穿孔の原因は不明と報告され,宿便性または特発性穿孔ということになる.
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