最下段の図15〜図18で通常便を含む右側結腸(白矢印)は機械的閉塞を示唆し,拡張した小腸はgaslessで,図7〜図10の△は腸間膜間に貯留した腹水(均一なwater densityで境界鮮明)で,図7〜図11の▲は浮腫を意味する腸間膜の濃度上昇(不均一なwater densityで境界不鮮明)を示しているので,その腸間膜に属する小腸は絞扼性の可能性が高い.図16から追跡するとAは図6のQで,1は同図の19で閉塞しclosed loopを形成している.図6〜図8で虚脱した小腸(SB)を認め,図8から口側の単純性閉塞が始まり丸数字順に展開し,その左側の液状内容物で拡張した小腸も単純性閉塞の小腸である.Closed loopの壁は単純性閉塞の小腸と同等な造影効果を呈し壊死はない.正確にCT診断され緊急手術となった.腸間膜に血腫と,暗赤色に変色した小腸を認め,30cmの空腸が大網より腹壁正中に走行するband(索状物)によって絞扼されていたが,band切離でviableであることが確認された.
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