腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)11  EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 51】

絞扼性小腸閉塞(壊死).Strangulated obstruction of small bowel with necrosis




















図1の大量の腹水(※),gaslessで壁の造影効果がやや減弱した拡張した小腸,図17〜図20の著明な腸間膜の濃度上昇(▲),図22と図34の単純CTで高濃度の壁(↑)は壊死に陥った絞扼性小腸閉塞と診断し,closed loopを証明する必要はない.念のため図39から追跡してみるとAは図27のLで,1は図30の151で閉塞し,図29と図30で虚脱した小腸(SB)を認める.閉塞部位間に2スライスあるが,単純性閉塞は図29の丸数字1から始まるのでclosed loopを形成していると診断していい.単純性閉塞の小腸はなぜか図20〜図24で虚脱(白矢印:蠕動によるもの?)し,図19のaから再び拡張し始める.正確に診断され緊急手術となった.子宮と後腹膜間に形成された索状物により90cm長の回腸が絞扼され壊死に陥っており(図A),切除された.





















拡張した小腸のloopが多くてどこから追跡を始めたらいいのか迷うときのヒントは,1)造影効果が弱いloop(ILE20),2)腸間膜の濃度上昇がある loop(ILE3),3)限局した局所性の腹水( ILE17),4)近隣に3つの閉塞部位(ILE15),5)手術部位:虫垂,婦人科,下部結腸の術後であれば絞扼された小腸は骨盤腔内にある場合が圧倒的に多い(ILE43).
  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 14 【症例 LE 68】

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