腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)10 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 50】

S状結腸捻転.Sigmoid volvulus

上記腹部単純写真でガスで拡張した腸管(↑)はcoffee bean signと解釈していいと思うが,CTでS状結腸捻転の確定診断が可能である.Tc:横行結腸,Dc:下行結腸.








上段の図6のAcが上行結腸の肝弯曲部だから横行結腸は図7のT1〜図1のT34である.図1のDcが下行結腸で,下行し図28からS状結腸(S1)となる.そうすると,図6のA1はS状結腸の頭頂部である可能性が高くなる.












図7から尾側へ追跡すると,Aは図26のUでUターンして,図23のXで閉塞し,図6の1は単純に下行し図26の21で閉塞するのでclosed loopを形成していることが証明された.図28でほぼ虚脱した直腸(R1)は図22まで上行し,そこでS状結腸下行脚17のbeak signと連結した.下行結腸から連続するS状結腸(図28のS1)は図32でUターンし図27のS11となるが,そこから先は不明である(そこで閉塞している可能性がある).S状結腸がclosed loopを形成し,その閉塞部位に虚脱した直腸が連結するのでS状結腸捻転の診断がついた.大腸ファイバー検査でS状結腸にねじれと閉塞(捻転)を認め,その拡張した口側から1300mlの液状便を吸引し,壊死所見を認めないので捻転を解除した.













  【参照症例】   1. 下腹部痛シリーズ(Lower Abdominal Pain) 7 【症例 LE 31〜35】

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