腸閉塞・イレウス特集(obstruction+ileus)10 EXPERT COURSE 解答 【症例 ILE 49】

潰瘍による横行結腸閉塞.Obstruction of transverse colon with an ulcer












拡張した横行結腸を図6の1から追跡すると図15の28で閉塞する.図16〜図10の↑が閉塞の原因病変であるが,癌や腫瘍性病変を示唆する所見はなく,粘膜下浮腫による壁肥厚を示している.図9と図8で肛門側が虚脱していない(△)ので部分閉塞である.図13〜図16の白矢印はニボーを形成しない線状のガス像だから壁内気腫の可能性が高い.緊急手術となり,横行結腸で閉塞を認め,口側に人工肛門が形成された.上行結腸に壊死は認めなかった.3週間後のCFで結腸紐に沿った縦走潰瘍(図A:▲)と狭窄(△)を認めた.









参考症例(脾弯曲部良性狭窄):63歳男性.6ヶ月前に脾弯曲部の閉塞性癌のため脾弯曲部切除・1期的吻合が行われ,特に合併症なく退院.2日間排便がなく,前日から腹部膨満が続いているため来院した.熱はなく,腹部は膨満しているが軟で圧痛もない.
図1と図2で横行結腸(Tc)が拡張しており,図3〜図5の↑が閉塞部位であるが,癌を示唆する所見はなく,注腸造影(図7と図8:▲)でも同様な所見を示し,大腸ファイバーで吻合部の良性狭窄であることが確認された.








  【参照症例】   1. 右下腹部痛(Right Lower Quadrant Pain)シリーズ7 【症例 RE 33】

 【 ←前の問題 】   【 次の問題→ 】  【 このシリーズの問題一覧に戻る 】 【 演習問題一覧に戻る 】